文学部

東京

伝統ある文学部の5学科・専攻コースで、「人間とは何か」を探求し、高度な思考力・表現力を身につける

募集人数:560

学科・コース名 募集人数
哲学科 95
史学科 155
社会学科 155
文学科 155

立正大学 文学部の特長

哲学科

 私とは何か、どう生きるべきか、善と悪とは何が異なるのか、人生に意味はあるのか。哲学者たちは2600年以上昔からこうした問いを探求してきました。哲学科では、これらの問いに対する哲学者たちの答を学ぶだけではなく、そう答えた理由まで理解したうえで議論・対話をすることによって、哲学者たちの思索を自分のものとし、答の先を見いだすことを目指します。
 長い歴史をもつ哲学は、時代や地域、関心によって様々な種類に分かれます。まず哲学発祥の地の古代ギリシアでは、ソクラテス、プラトン、アリストテレスのような偉大な哲学者たちがおります。その後中世では、アウグスティヌス、トマス・アクィナスなどによって神の存在や信仰について教会内で議論が盛んとなります。近代に入りますと、デカルトによって近代哲学がはじまり、イギリス経験論と大陸合理論に分かれながら、カントによって統合されます。その後はドイツ観念論へと批判的に継承され、ヘーゲルにおいて一先ずの完成をみます。19世紀末ごろからは、新しい哲学の潮流が始まります。フッサールが創始した現象学、ウィトゲンシュタインを代表とする分析哲学が台頭します。
 哲学の展開は西洋のみに限られるものではありません。儒教や道教などの中国思想や、西田幾多郎や和辻哲郎らを代表とする日本哲学もあります。さらには現代で生じている具体的な問題を問う哲学もあります。例えば、脳死や胚の存在、ケアなどについて問う「生命倫理」、生死の問題を問う「死生学」、LGBTQや差別の問題などを問う「社会哲学」、原子力発電事故について考える「技術の哲学」などです。
 本哲学科では、「古代中世哲学史」「近代哲学史」、「哲学とは何か」「倫理学とは何か」「論理学とは何か」、「日本思想史」「東洋思想史」、「キリスト教思想」「人間と宗教」、「人間と自然環境」「人間と労働」「人間と生死の問題」、「臨床哲学」「現代科学論」「社会思想の展開」、「美学とは何か」「映像文化論」などの科目が用意されており、様々な哲学について幅広く学ぶことができます。
 また、哲学科の学びの特徴は、「演習」が充実していることです。1・2年次には「基礎演習」という少人数のゼミで、私、心、論理、他者、世界、倫理といった哲学の基礎的な問題について学びます。3年次には、「哲学演習」というゼミが始まり、卒業論文の準備となるような、より専門的な事柄を学びながら、翌年執筆することになる卒業論文のテーマと指導教員を決めます。4年次には「上級演習」というゼミが始まり、プレゼンテーションや仲間との討論を通して、卒業論文を執筆します。
 演習・講義以外にも、語学の授業も充実しております。英語、ドイツ語、フランス語、ギリシア語、ラテン語それぞれに「原典講読」という科目があり、大学ではじめて学んだ言語であっても、少人数の授業で丹念に原典を読むことで語学力、特に読解力を鍛えます。

史学科

 1年次には、日本史、東洋史、西洋史、考古学各分野の「研究法」や「概説」、「史料講読」など、幅広く歴史学の基礎的な知識と方法を学びます。そして2年次から、各自が選択した分野の「演習」科目で、専門性を深めた学修に取り組んでいきます。つまり、入学後に、4つの分野の中から自分の興味関心にもとづいた専攻分野を選ぶことができるわけです。
 また、2年次以降の講義科目には、各分野の様々なテーマの講義が多数設置されており、専攻分野の垣根を越えて学修することができます。例えば日本史を専攻していても、面白そうだなと思った西洋史の授業も受講することができるのです。そして3~4年次の「演習」科目では、主に卒業論文の作成に向けた学修をします。各教員の指導のもと、基本的には、卒業論文のテーマを自分で設定し、調査研究をすすめていきます。
 そのほか、「実習」科目では、くずし字で書かれた古文書の読解をしたり、石器や土器を実測し、遺跡の実地調査を行ったりするなど、史料と直接向き合う機会が設けられています。品川キャンパスの古書資料館には、日本近世の和古書約45,000冊が所蔵されているほか、熊谷キャンパスの大学博物館には、数多くの考古史料が保管・展示されています。このように、史料が身近にある環境の中で歴史学の勉強ができます。
 大学で学ぶ歴史学は、教科書や概説書に書かれていることを覚えることではありません。教科書や概説書の記述の根拠となっている史料に向き合い、それら史料からどんなことを読み取ることができるのか、自分で考えていきます。日本史では変体漢文とよばれる史料を読むほか、東洋史では漢文で書かれた原典史料の講読をしたり、西洋史では英語で書かれた研究論文を読んだりもしています。こうした学修を通して、収集した史料にもとづき、自分の力で調査・研究を成し遂げていくことができるようになります。

社会学科

 社会学とは何か、それは当たり前を疑う学問です。身近な日常生活から地域社会、今、ここにある日本という社会、さらにテレビやラジオ、ネット空間を通じて感じる国際社会まで、そこには多くの「当たり前」が潜んでいます。その当たり前を疑う力を身につけるために、社会学の「理論と実証」を4年間で体系的に学びます。理論とはものの見方といってもかまいません。そのものの見方を学ぶ講義科目では都市や地域、犯罪、家族や環境、さらに宗教やメディア、そしてジャーナリズムなど、多様な領域が用意されています。他方で、ものの見方を身につけつつ、小グループを前提として1年生から演習科目が用意されています。そこでは、議論の仕方、本の読み方、レポートの書き方、パソコンを使用しての表や文書作成方法なども学びます。
 さて、理論を学ぶだけでは「あたりまえを疑う」力は身につきません。身につけたものの見方を発揮させるには、やはり現場に出ることが重要です。現場では身につけた理論で分析できない場合もあります。まさに現場から学ぶ必要も出てくるのです。現場には新しい発見がたくさんあります。その新しい発見がこれまでのものの見方をブラッシュアップします。つまり理論と実証の相互作用が起こります。実証とは単なる現場を意味する言葉ではありません。現場に学ぶこと、現場を重視することというふうに考えてみてください。そのために、社会調査関連の科目が複数あります。ただし、やみくもに現場に出たのでは豊かな出会いは生まれません。理論をブラッシュアップすることもありません。社会調査に関連する科目は、1年生から始まっています。3年の社会調査実習まで体系的に学ぶことで、先の豊かな出会い、新しい発見が経験できるようになります。そしてそれは、社会調査士という資格に結びついていきます。3年生で学ぶ社会調査実習は、「実証」の学びのための代表的な科目です。
 「理論と実証」を体系的に学ぶことで、「当たり前を疑う」力が身につき、社会学的なものの見方ができるようになります。それは2年生からはじまるゼミナール科目で磨かれ、4年間の集大成として卒業論文執筆が可能となります。それはおそらく今までの自分とは違う自分に出会うことになるのかもしれません。

文学科 日本語日本文学専攻コース

 日本の文学は一千年を大きく超える歴史を持っており、その間途絶えることなく現代まで続いてきました。それだけの長い歴史の中で、それぞれの時代において、物語、詩歌、散文など、さまざまなジャンルの文学が誕生し、受け入れられてきました。そしてそうした日本文学を表現してきた日本語という言語も、同様に長い歴史と豊かな表現力を持っています。
 文学科日本語日本文学専攻コースは、そうした日本語や日本文学について、時代背景・思想宗教・地域文化などの多角的な視点から学び、研究する専攻コースです。『古事記』『日本書紀』『万葉集』などの上代文学から、『竹取物語』『源氏物語』『伊勢物語』などの平安時代の物語作品、『紫式部日記』『和泉式部日記』などの日記文学、『方丈記』『徒然草』などの随筆文学、そして『古今和歌集』『新古今和歌集』などの和歌文学といった、さまざまなジャンルについて学んでいきます。さらに時代が下がり、室町時代の御伽草子や、江戸時代の俳諧も学修します。そして夏目漱石・森鴎外・芥川龍之介などの明治以降の文豪たちの作品から、まさに今の時代に発表されている文学作品を取り上げて学ぶことも可能です。また、本専攻コースの一つの大きな特徴である、沖縄・琉球の文学についての授業も開設されています。
 日本語についても、日本各地の方言を中心に、日本語の語法や音声、長い日本語の歴史の中での言語の変化などについて学修します。
 日本の文学は、長い歴史の中で常に中国語や中国文学・中国文化から影響を受けてきました。したがって日本語や日本文学をしっかり理解するためには、中国の言語や文学・文化を理解することも必要です。そのために漢文学の授業も開設され、漢文訓読や中国の小説についても学ぶことができます。
 その他、文学の創作・朗読・映像文化や劇場文化・伝統芸能などの分野について、たいへん魅力的な授業が開講されています。
 長い歴史を持つ日本文学ですが、それは書物という形で伝えられてきました。そのため日本文学を学ぶためには書物そのものに関する学問、すなわち「書誌学」についての学習も欠かせません。書誌学についての授業をとおして、古い時代の本の由来や鑑定のしかたについても学ぶことができます。
 文学作品は、ただ読んで訳すというだけでは、本当に学んだことにはなりません。「研究」するためには、作品をどのように読んでいくのか、どのように理解するのかという能力を養うことが大切です。授業をとおして真に日本語・日本文学を理解する能力を培っていきます。
 また、本専攻コースで行っている課外活動として、歌舞伎鑑賞会があります。伝統芸能の一つである歌舞伎を実際に目で見、肌で感じて、日本文学を学ぶための意識を高めていきます。

文学科 英語英米文学専攻コース

 英語をキーワードとして、英語圏の文学、文化、言語、コミュニケーションなどを学ぶコースです。それぞれの専門領域を究めると同時に、「読む」「書く」「聴く」「話す」の4つの英語スキルをバランスよく修得し、自分の意見を論理的に構成する力を身につけます。海外で思う存分活動したい、世界に友達を作り、将来いろいろなことに挑戦したいという皆さんの期待に応えるカリキュラムとなっています。
 「英語圏の文学」、特にイギリス文学では古英語期から現代までの文学作品とその歴史を、アメリカ文学では植民地時代から現代までの文学作品とその歴史を、それぞれ小説や詩、演劇などから学び、作品のテーマやその背景にある諸問題を議論し、作品の世界を理解していきます。「英語圏の文化」では、映画や時事ニュース、ドキュメンタリー等も用いながら、食、宗教、教育、社会階層、人種問題、ジェンダーなど、英米の文化や社会について幅広く学び、異文化への理解を深めます。「英語コミュニケーション」では、コミュニケーションの理論と実践を研究します。効果的なスピーキング、プレゼンテーションの方法を学び、英語でのディスカッション、ディベイト等の体験をとおして、世界で通用する英語力を身につけていきます。「英語学」では、英語という言語そのものの性質や構造を学びます。音声、形態、意味、統語、語用の面から、英語のしくみを探究し、人間の言語の不思議について考えます。また英語学の授業は、歴史に翻弄された英語の変遷をたどる授業もあることから、英語の知識が深まり、高等学校や中学校の英語教諭を目指す学生にも役立つ内容となっています。
 このように、幅広い領域から多面的に深く「英語」にアプローチすることで、英語を単なるコミュニケーション・ツールとして学ぶだけではなく、英語圏の人間、言語、文化の本質に迫っていきます。1年次ではBrush-up Writing、Brush-up ReadingおよびPre-Seminarを必修科目とし、大学で学ぶための初年次教育にも力を入れています。英語および日本語の文献講読により文章を的確に読解する力をつけるとともに、研究のしかた、文献の集め方、論文の書き方を学び、演習をとおして文章構成力を鍛えます。また、口頭発表、グループ・ワーク、グループ・ディスカッションを積極的に取り入れ実践することで、自分の主張をすることと同時に、他者とコミュニケーションし、互いに学びあう能力も養っていきます。実業界で活躍するひと、大学院に進学するひとなど、進路はさまざまですが、自ら学ぶことを続け、国境を越えて世界の人々とあたたかい交流を育む学生を本コースは育てます。

取得できる資格

【哲学科・史学科】 中学校教諭一種免許状(社会)〈国〉、高等学校教諭一種免許状(地理歴史・公民)〈国〉他 【社会学科】 中学校教諭一種免許状(社会)〈国〉、高等学校教諭一種免許状(地理歴史・公民)〈国〉、社会調査士 他  【文学科/日本語日本文学専攻コース】 中学校教諭一種免許状(国語)〈国〉、高等学校教諭一種免許状(国語・書道)〈国〉他 【文学科/英語英米文学専攻コース】 中学校教諭一種免許状(英語)〈国〉、高等学校教諭一種免許状(英語)〈国〉他 【共通】 司書〈国〉、学芸員〈国〉、社会福祉主事任用資格 他

学びの特徴

 立正大学文学部は1924年に設置され、全国の大学の中でも有数の歴史を持つ学部です。哲学科・史学科・社会学科・文学科日本語日本文学専攻コース・文学科英語英米文学専攻コースの5つの学科・専攻コースからなっており、50名を超える専任教員が指導しています。
 5つの学科・専攻コースはそれぞれ独自の学びの特徴を持っていますが、共通して追求するのは「人間とは何」という根本的な問いです。こうした問いを重ねることにより身につくのが「人文知」です。時代や国の違いを超えても変わらない、普遍的な人間の本質を追い求めることで、今を生きる力を身につけることができます。
 「人文知」を身につけるために、立正大学文学部で、具体的にはどのようなカリキュラムが組まれているかを、少しだけご紹介しましょう。大学教育においては、専門的な学修を始める前に、社会に出たときに必要な教養的科目を履修するようになっているのが一般的です。立正大学文学部では、そのような教養的科目を学ぶのはもちろんのこと、文学部での学びに特化した学部共通の「基礎ゼミナール」と、「基礎英語」を初年次の必修として、大学における学びの基礎を固められるようにしています。
 各学科・専攻コースでは、段階的に高度で専門的な学修ができるようにカリキュラムが組まれています。(詳しくは各学科の欄をご覧いただきたいと思います。)学科・専攻コースごとに学生募集をしていますが、意欲と関心があれば、所属する学科・専攻コース以外の授業を履修して、幅広い知識を身につけることもできます。
 また、どの学科・専攻コースのカリキュラムでも、少人数ゼミが開講されているのが、立正大学文学部の大きな魅力です。個性豊かな教員と、興味関心を共にする学生が密な関係を築きながら、プレゼンテーションの技術を磨き、活発なディスカッションを通して、考えを深めています。
 そして、大学での学びの総仕上げとして、全学生が取り組むのが卒業論文です。できる限りの資料・史料や情報を集め、先行研究を学び、分析して、まとまった分量の論理的な文章を書くことで、誰もが大変大きく成長します。卒業論文に取り組むことで養われるものは、まさしく卒業後の社会で活きる重要な力です。
 こうして学んだ文学部の卒業生は、一般的に考えられているような教育関係者や公務員になるだけでなく、さまざまな職業に就いたり、さらに学びを深めるために進学したりと、大きく社会に羽ばたいて活躍しています。

大学院

〈文学研究科〉仏教学、英米文学、社会学、史学、国文学、哲学

 400年を超える伝統の上に立つ立正大学に、大学院文学研究科は1951年に設立されました。 都心にありながら伝統に根差した落ち着きのある雰囲気の中で、じっくりと研究に取り組める環境が整っています。現在は、仏教学、英米文学、社会学、史学、国文学、哲学の6つの専攻を擁していますが、6専攻で仏教学や社会学まで含めている多様さは、他の大学院ではあまり例のない特徴です。各専攻では、主だった領域をカバーできるように、教員をバランスよく配置しています。そして、多様な専攻を揃えるだけでなく、それぞれが連携し合っているのも特徴の一つです。 院生は、興味の赴くままに連携するどの科目も履修可能で、異なる分野とも情報交換をしながら自身の研究を深めていくことができます。少人数なので教員との距離が近く、疑問があればすぐに教員に相談して、スムーズに研究を進められます。修士課程では、研究の集大成として修士論文を執筆します。学術的な研究成果を形に残す意義は大きく、この上ない充実感を味わえます。経済的な優遇を受けられる長期履修制度や、各種奨学金も充実しています。
 
〈仏教学専攻〉
日蓮聖人の教学や日蓮教団の歴史を学ぶ宗学コースと、仏教の思想や歴史などを学ぶ仏教学コースの2コース。院生は関心に応じて、双方の講義・演習を履修できます。
〈英米文学専攻〉
古英語から現代までの文学・語学を視野に、英文学、米文学、英語学、英語教育の各領域を広くかつ深く学びます。研究者及び専門性を要する職業にも通用する高度な能力を養います。
〈社会学専攻〉
現代社会が抱える諸問題の解決手法を導き出せる人材の養成を目指します。社会学の基礎理論から社会調査まで多様な専 門科目を開設して、理論と実践を学んでいきます。
〈史学専攻〉
日本史、東洋史、西洋史、考古学の4コースがあります。各コースで専門的な研究を行うと共に、史学専攻として総合的な歴史認識の方法や見方を深く学びます。
〈国文学専攻〉
日本文学、日本語学、琉球文学の各領域に加えて、言語学や漢文学などの科目も開設。新しい社会的ニーズに応えるべく、専門的で開かれた教育・研究の実践を目指します。
〈哲学専攻〉
院生たちの多様な問題意識を、現代の哲学研究の高い水準で発展させて、独自の研究領域を拓きます。多彩な科目・演習により、広く深く研究できる指導体制を整えています。

キャリアサポートセンター

2023年度から在学生の就職活動をサポートする新たな取り組みが始まります。
●就職活動時により実践的に活用しやすい学びを目指す「課題解決型インターンシップ」

このほか企業の担当者による「業界研究会」、就職活動に有利とされている各種資格の対策講座「スキル開発講座」なども充実しています。また本学には専門のキャリアカウンセラーが常駐しており、進路や就職について対面・オンラインいずれでも相談することが可能です。

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