「菅原道真すがわらのみちざね」の
偉人いじんエピソードを
いっしょに読よんで
みよう

藤原氏ふじわらしの勢力拡大せいりょくかくだいの動うごきを知しろう！

現代げんだいでは私わたしは「学問がくもんの神様かみさま」と呼よばれているそうだな。なかなか興味深きょうみぶかい呼よび名なだ。確たしかに私わたしは幼少期ようしょうきより中国ちゅうごくの漢詩かんしを学まなび、漢詩かんしを多おおく詠よんできたぞ。しかし、本業ほんぎょうは貴族きぞくとして政治せいじを行おこなうことであり、私わたしの働はたらきが宇多天皇うだてんのうに評価ひょうかされ、天皇てんのうの側近そっきんとなった。当時とうじは藤原氏ふじわらしが、天皇てんのうが幼おさないときには摂政せっしょう、成人後せいじんごも関白かんぱくとして政治せいじを行おこなう摂関政治せっかんせいじというしくみを整ととのえ始はじめ、朝廷内ちょうていないで一大勢力いちだいせいりょくを築きずいていたのだ。そこで、どうも藤原氏ふじわらしとの関係かんけいが薄うすい私わたしのような者ものが天皇てんのうのそばにいることが気きに食くわなかったようで、藤原氏ふじわらしを中心ちゅうしんに反菅原派はんすがわらはのような勢力せいりょくがあったのも事実じじつだ。しかし、努力どりょくの甲斐かいがあって、私わたしが上級貴族じょうきゅうきぞくとして実質じっしつ上うえから2番目ばんめの右大臣うだいじんの位くらいを賜たまわったのだ。この位くらいには対ついとなる左大臣さだいじんの席せきがあり、そこには藤原時平ふじわらのときひらが就ついたので、天皇てんのうを右大臣うだいじんの私わたしと左大臣さだいじんの時平ときひらが支ささえる体制たいせいができあがったというわけだ。よりによって私わたしを敵対視てきたいしする藤原氏ふじわらしがパートナーとなるなんて……。

その後のちの話はなしはご存知ぞんじの通とおり。藤原氏ふじわらしの策略さくりゃくによって、私わたしは九州きゅうしゅうの太宰府だざいふに流ながされてしまったというわけだ。

私わたしの政治人生せいじじんせいにおいて特とくにおさえてほしいことが2つある。一つは「遣唐使けんとうしの停止ていし」、そしてもう一ひとつは「藤原氏ふじわらしの勢力拡大せいりょくかくだい」だ。遣唐使けんとうしがなくなったことで日本にほんにどのような影響えいきょうがあったのか、また、摂関政治せっかんせいじを行おこなう藤原氏ふじわらしはその後のちどのようになっていくのか、これらの点てんを必かならずおさえるようにしよう。