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基本的人権の尊重③

1 人権を守るための権利

(1)参政権

国民が,選挙を通じ間接的に,または自ら直接的に政治に参加する権利。

  • 公務員の選定・罷免権
    • 選挙権

      国民が代表者(議員や地方自治体首長など)を選挙する権利。満20歳以上の国民がもつ権利。2016年に改正公職選挙法(18歳以上)が施行。

    • 被選挙権

      国民から代表者として選挙される権利。参議院議員と都道府県知事は満30歳以上,衆議院議員と市町村長と地方議会議員は25歳以上に認められる。

    • 解職請求

      地方公共団体の住民がもつ直接請求権の一つで,首長(都道府県知事・市町村長)や地方議会議員(都道府県議会議員・市町村議会議員)に解職を求める。

    • 最高裁判所裁判官に対する国民審査

      前回審査から10年経過後,もっとも近い衆議院議員選挙の際におこなわれる。

      国民審査による最高裁判所裁判官の罷免例はない。

  • 立法に関する承認権
    • 地方自治特別法の住民投票

      国会が制定しようとする地方自治の特別法に対し,その地方公共団体の住民は,その賛否を問う住民投票をおこなう権利をもつ。

      特別法の制定には,有効投票数の過半数の賛成が必要。

    • 憲法改正の国民投票

      国民は,日本国憲法改正の賛否を問う国民投票をおこなう権利をもつ。

      国民投票法も制定されているが,投票例はない。

  • 請願権→請求権に含めることもある

    国や地方公共団体の機関に希望を述べる権利。

    請願権を行使したことで,いかなる差別待遇も受けない。

(2)請求権

国民の基本的人権が侵害された場合,その救済を求める権利。

  • 裁判を受ける権利

    裁判所に公正な審理と判決を求める権利。特に刑事事件の被告人は,公平で迅速な公開裁判を受ける権利をもつ。

  • 損害賠償および刑事補償を求める権利
    • 損害賠償請求権〔国家賠償請求権〕

      公務員による不法行為で損害を受けた場合,その損害の賠償を国や地方公共団体に請求する権利。

    • 刑事補償請求権

      抑留・拘禁された後に無罪判決を受けた場合,国に対しその補償を請求する権利。

2 新しい人権

1946年の日本国憲法制定,47年の施行から長い年月が経っている。高度経済成長(1955年~73年)の下で,産業の高度化や科学技術の進歩が起き,社会が変化したことから,憲法に明確な規定のない新しい人権も主張され始めた。

しかし,現状は改憲が難しいので,法律の制定などの取り組みがおこなわれている。

(1)環境権

公害問題や都市問題が発生する中で唱えられるようになった,人間らしい生活ができる環境を求める権利。憲法第13条の幸福追求権や第25条の生存権が法的な根拠となっている。日照権などが有名。

公害対策基本法(1967年)などを引き継いだ環境基本法(1993年)や,事前に環境への影響を調査する環境アセスメント〔環境影響評価〕の義務付けなどがおもな取り組み。

(2)知る権利

国や地方公共団体がもつ情報の公開を要求する権利。憲法第21条の表現の自由を国民の側から捉え,情報を受け取る権利として法的根拠としている。

国の(行政機関)情報公開法(2001年施行,翌年独立行政法人等情報公開法も施行)や,地方公共団体の情報公開条例などがおもな取り組み。

(3)プライバシー権

個人の尊重と幸福追求の権利を護るため,私生活をみだりに公開されない権利。高度経済成長期やそれ以後も進展し続ける情報化社会の中で主張され始めた。現在,自らの情報を管理する権利(自己情報コントロール権)の性格も強い。

三島由紀夫の著書に関する『宴のあと』事件(1964年,東京地裁判決)で,表現の自由に対するプライバシー権は確立したとされる。

国や地方公共団体,民間の情報管理者に対する個人情報保護法(2005年全面施行)や個人情報保護条例などがおもな取り組み。

(4)その他

医療現場におけるインフォームド・コンセント(十分な説明にもとづく同意)や尊厳死,ドナーカード〔臓器提供意思表示カード〕にみられるような自己決定権など。

3 国際社会と人権

(1)国際的な人権保障

2度の世界大戦を経て,国際連合が存在する現在,人権の保障は1国のみの問題ではなく国際的な問題となっている。

  • 世界人権宣言(1948年)

    第3回国際連合総会で採択された,基本的人権の国際的な模範を示した宣言。法的拘束力はない。

  • 国際人権規約(1966年)

    第21回国際連合総会で採択された,世界人権宣言の実現をめざす条約。法的拘束力がある。

    経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約(A規約)と市民的・政治的権利に関する国際規約(B規約)からなる。

    日本はB規約の一部を留保しつつ批准している。

  • 女子差別撤廃条約(1979年)

    第34回国際連合総会で採択された,あらゆる男女差別の撤廃をめざす条約。日本は1985年の批准にあたり,男女雇用機会均等法を制定した。

  • 子ども〔児童〕の権利条約(1989年)

    第44回国際連合総会で採択された,18歳未満を子どもとする,子どもの人権の国際的な保障をめざす条約。日本は1994年に批准した。

    背景に,チャイルドソルジャーやストリートチルドレン,人身売買などの問題がある。

  • その他の人権条約→( )内は国際連合総会の採択年

    集団殺害〔ジェノサイド〕防止条約(1948年,日本は武力をもたないため未批准),難民条約(1951年),人種差別撤廃条約(1965年),拷問等禁止条約(1984年),死刑廃止条約(1989年,日本は未批准),障害者権利条約(2006年,日本は未批准)など。

(2)その他

国際連合総会で設立された人権理事会がある。また,アムネスティ・インターナショナルや国境なき医師団〔MSF〕など,国境を越えて連帯するNGO〔非政府組織〕が大きな役割を果たしている。

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