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現代の民主政治

1 民主政治と選挙

(1)民主政治

国民の話し合いで物事を決めていくという考えを民主主義といい,その下でおこなわれる政治を民主政治という。

人々の意見や利害を調整するしくみを政治といい,政治を実現していく力を権力(政治権力)という。

日本には,三権分立(立法権・行政権・司法権)や,中央集権を避ける地方分権のような権力分立の考え方がある。

  • 民主政治の基本原理

    アメリカ第16代大統領リンカン「人民の,人民による,人民のための政治」(南北戦争中の1863年,ゲティスバーグにおける戦没者追悼演説より)

    • 人権の尊重

      基本的人権を尊重し,すべての人が平等に扱われ差別されない。

    • 国民の意思にもとづき運営

      意見が一致しない場合は,多数の意見に従う(多数決の原理)が,少数の意見も尊重する。

  • 民主政治の形態
    • 間接民主制〔代議制・議会制民主主義〕

      国民の代表者である議員を選挙で選び,議会を通じておこなわれる政治。意見の対立がある場合は,少数意見を尊重しつつ,最終的に多数決で決定する。議会は国権の最高機関としての地位を有する。

      国民が重要な決定に直接参加する直接民主制は,複雑な取り決めの多い現代国家においては,規模の面を考えてもほぼ不可能。

    • 国会のはたらき

      立法権をもち,法律の制定と予算の議決をおこなう。また,行政権をもつ内閣と司法権をもつ裁判所に対し抑制と均衡の機能を果たす。

(2)日本の選挙制度

  • 選挙権・被選挙権の拡大
    • 衆議院議員選挙法(1889年)→ 1890年に実施

      直接国税を15円以上納める25歳以上の男子にのみ選挙権を認める。

      貴族院議員は選挙なし。のち納税額の条件は10円→3円と変化。

    • 普通選挙法(1925年)→ 1928年に実施

      納税額(財産)にかかわりなく満25歳以上の男子に選挙権を認める。

    • 婦人参政権の確立(1945年)→ 1946年に実施

      戦後,満20歳以上の男女に選挙権を認める。

  • 選挙の4原則
    • 普通選挙⇔制限選挙

      特別な条件なしで満20歳(2016年から18歳)以上の男女すべてに選挙権を認める。

    • 秘密選挙

      選挙の公正を保つため,すべての選挙は無記名で投票。

    • 平等選挙

      選挙の公平を保つため,社会的地位や財産の保有量にかかわらずすべての有権者が1人1票の投票をおこなう。

    • 直接選挙⇔間接選挙

      アメリカの大統領選挙人のような中間選挙人を置かず,直接候補者に投票。

  • 選挙→公職選挙法で規定,選挙管理委員会などが設置されている。

    選挙はいかなる権力にも干渉されず,公正におこなわなければならない。

    • 選挙権→投票する権利

      満20歳(2016年から18歳)以上の日本国民に認める。

    • 被選挙権→立候補する権利

      衆議院議員・地方議会議員・市(区)町村長は満25歳以上,参議院議員・都道府県知事は満30歳以上の日本国民に認める。

  • 選挙制度
    • 小選挙区制

      1つの選挙区から1人の代表者を選ぶ。衆議院議員選挙で採用されている。死票が多く,多様な意見は反映されにくくなるが,大政党に有利で政権が比較的安定する。

      選挙区が狭いため,選挙費用が抑えられる。また,有権者が立候補者をよく知ることもできる。

    • 大選挙区制

      1つの選挙区から2名以上を選ぶ。参議院議員選挙や地方議会議員選挙では複数の当選者が出る選挙区が多く存在する。死票が少なく,少数政党でも当選の可能性が高まる。

      中選挙区制(おおむね3~5名当選)も大選挙区制の一部。

      選挙区が広いため,多額の選挙費用が必要となる場合が多い。また,有権者と立候補者との関係が薄くなりがち。

    • 比例代表制

      各政党の得票率に応じてドント方式で議席を配分する。死票は少なく少数意見も反映されやすいが,分党や小政党の結党が多くなり政権が不安定になりやすい。

      ドント方式とは,各政党が得た得票数を整数1から順に割り進み,その数字(商)の大きい順に議席を配分する方式。

  • 日本の選挙制度
    • 衆議院議員(475名)→小選挙区比例代表並立制の総選挙

      295名の小選挙区制と,180名の比例代表制(全国を11ブロックに分けた拘束名簿式)を組み合わせ選出される。有権者は小選挙区と比例代表にそれぞれ1票ずつ投票する。

      拘束名簿式とは,各政党が選挙前に候補者の当選順位を決めた比例代表名簿を提出する方式。有権者は投票時に政党名を書く。

      衆議院議員選挙〔総選挙〕は,4年間の任期満了による選挙と解散にともなう選挙がある。

    • 参議院議員(242名)→3年ごとの半数改選

      146名の都道府県を選挙区とする選挙区制と,96名の全国区の比例代表制(非拘束名簿式)を組み合わせ選出される。

      各選挙区の割り当ては2~10人。半数改選なので,選挙の際は1人区~5人区となる。

      非拘束名簿式では,国民は投票時に政党名もしくは候補者名を書く。

    • その他

      地方公共団体単位に1名を選ぶ都道府県知事選挙・市(区)町村長選挙や,選挙区に分かれることも多い地方議会議員選挙がある。

  • 今日の選挙の問題点
    • 投票率の低下→政治に対する不信感・無力感・絶望感などが背景

      若年層や都市部を中心に政治的無関心が広がり,投票を棄権する人が増えている。

      各政党によるマニフェスト〔政権公約〕の作成や,投票時間の延長・期日前投票の実施などの対策が進められている。

    • 一票の格差→過疎・過密などによる人口の偏り(人口の都市集中)が背景

      各選挙区間で有権者数と議員定数の割合に格差があり,一票の価値に不平等が生じている。

      選挙区割りの見直しなどの対策が進められている。

    • 選挙費用の増大→金権政治へ

      豊富な資金力のある人しか立候補しにくく,また,買収などの不正も発生しやすい。

2 政治参加と世論

(1)国民の政治参加

  • 立候補して当選し政治家へ

    国会議員(衆議院議員・参議院議員),都道府県知事,市(区)町村長,地方議会議員。

  • 政党への参加

    自由民主党,民主党,公明党,日本共産党,社会民主党など。

  • 圧力団体〔利益集団〕への参加

    日本経団連などの経営者団体,連合などの労働団体,農協などの農業団体,日本医師会などの医療関係団体など。

  • その他

    住民運動や消費者運動など大衆運動への参加,選挙運動の手伝い,陳情や請願,情報公開制度の利用など。

(2)世論とマスメディア

  • 世論(せろん・よろん)

    政治・社会問題についての多数の国民の意見のまとまり。世論は政治・社会の動きに多大な影響を与える。

  • マスメディア→立法・行政・司法の三権に対する“第四の権力”とも

    新聞・雑誌・テレビ・ラジオなど多数の人々に大量の情報を一方的に伝達する媒体。世論の形成に多大な影響を与える。情報が溢れる現代社会においては,直接的で双方向性をもつパーソナルメディア(インターネットなど)を含め,情報の価値を判断し取捨選択する能力(メディア・リテラシー)が必要不可欠とされている。

    同じ日の新聞各紙の一面トップ記事の違いなどは好例。

3 政党と政党政治

(1)政党

政治理念や政策について同様の考えをもつ人々が,政権を担当し政策を実現するために結成する団体。選挙の際には公約や,さらに具体的なマニフェストを掲げて戦う。

政権担当政党を与党,他を野党という。

保守政党・革新政党・中道政党など,現在の体制に対する立ち位置が異なる。

(2)政党政治

立法権をもつ国会や行政権をもつ内閣が,政党を中心に運営される政治。二大政党制と多党制,単独政権と連立政権に分かれる。

活動資金や選挙資金に関する汚職事件〔贈収賄事件〕が絶えない。そこで,政治腐敗防止のため,政治資金規正法が定められている。また,国から政党へは政党交付金〔政党助成金〕が交付されている。

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