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地方自治

1 地方自治のしくみ

(1)地方自治とは

地域に住む住民が,自らの意思にもとづいて地域の政治をおこなうことを地方自治といい,地域の実情や住民意思を尊重した政治をめざすことを目的としている。地方自治は憲法の第8章や地方自治法(1947年制定)によって保障されている。

もっとも身近な民主主義である地方自治は「民主主義の学校」とよばれている。

(2)地方自治のしくみ

  • 地方公共団体〔地方自治体〕

    地方自治をおこなうおもな場として,都道府県や市(区)町村などの地方公共団体があり,地方議会と執行機関からなる。

    東京都の特別区(23区)は特別地方公共団体として,区議会や区長が置かれているが,政令指定都市の区は地方公共団体ではないので,区議会などはもたない。

  • 地方議会のしくみ

    地方議会には一院制の都道府県議会と市(区)町村議会があり,その議員は住民が直接選挙で選ぶ。地方議会は,条例の制定や改正・廃止,予算の議決等をおこなう。

  • 執行機関のしくみ

    地方の行政機関を執行機関とよび,そのトップを首長とよぶ。

    • 首長

      都道府県知事と市(区)町村長は,住民が直接選挙で選ぶ。予算案や条例案を作成し,議会に提出する。また,地方公務員の指揮・監督をおこなう。

    • その他

      首長の補佐役として,都道府県には副知事,市(区)町村には副市(区)町村長が置かれる。また,首長からある程度独立した機関として,教育委員会や監査委員などの行政委員会(委員)が設置される。

  • 議会と首長の関係
    • 地方議会は被選挙権が満25歳以上で任期は4年。首長は市(区)町村長の被選挙権が満25歳以上,都道府県知事の被選挙権が満30歳以上で,任期はともに4年。このように議会も首長も住民からの直接選挙で選ばれるため,対等な関係にある。
    • 地方議会は首長の不信任議決権をもち,これが可決された場合,首長は10日以内に地方議会を解散させなければ失職する。
    • 逆に首長は地方議会に対し,議会の解散権や再議要求(議会の議決に異議がある場合,審議のやり直しを求められる)や専決処分(議会の決定と関係なく,首長自らの判断で行政をおこなう)などの権限をもつ。

2 地方公共団体の仕事と財政

(1)地方公共団体の仕事

公園や道路・河川などを整備し,学校などの教育・文化施設を管理するだけでなく,戸籍・住民登録や国政選挙事務など,国から委託された仕事もおこなう。

(2)地方財政の歳入と歳出

  • 地方財政とは

    地方公共団体の経済活動を地方財政とよび,歳入(年間収入)と歳出(年間支出)からなる。

  • 歳入の種類
    • 地方税

      地方公共団体が住民から徴収する税金(自主財源)。都道府県税と市町村税がある。

    • 地方債

      地方公共団体が財源を確保するために発行する借金(の証書)。

    • 国からの支出

      義務教育や道路整備など,国が用途を特定して費用の一部または全部を支払う国庫支出金や,地方財政の格差をなくすための地方交付税交付金がある。

  • 歳出の種類

    社会福祉関連の費用である民生費,学校教育に用いる教育費,道路建設や都市計画に用いる土木費,地方債を返済するための公債費などがある。

(3)地方自治の課題

  • 地方財政の課題

    地方独自の財源である地方税の割合が少ない地方公共団体が多く,財政難に陥り地方債や国からの補助に依存しなければならない場合が多い。地方公共団体も支出を減らすため,職員の削減や事業の削減,市町村合併などを進め,政府も自治体財政健全化法を出して支援することとした。

  • 地方分権化

    従来の国に従うだけの中央集権的な地方をあらため,それぞれの地域に合った政治をおこなうために国の仕事や財源を地方に移す地方分権が進み,1999年には地方分権一括法が成立,翌年に施行された。また,国は地域独自の取り組みを積極的に認める構造改革特別区域を設け,各地でさまざまな特区が認定されている。

3 地方自治と住民参加

(1)住民の権利

住民の日常生活に密接にかかわる地方自治では,住民の意思をより反映させられるように,議会と首長の選挙権の他に直接請求権や住民投票などの直接民主制を取り入れている。

  • 直接請求権

    地域住民からの一定数の署名を集め,首長や選挙管理委員会などに直接請求できる。

    • 有権者の50分の1以上の署名を集めれば,首長に条例の制定・改正・廃止の審議を請求できる。
    • 財政が適切かどうかの監査請求には,有権者の50分の1以上の署名を集めて監査委員に請求する必要がある。
    • 地方議会議員・首長や,副知事・副市(区)町村長などの職員をやめさせる(解職請求またはリコール)ためには,有権者の3分の1以上の署名が必要となり,議会議員・首長の解職には選挙管理委員会,職員の解職には首長に請求する。議会議員・首長の場合,住民投票がおこなわれ,過半数以上の同意があれば解職される。
    • 地方議会を解散させるためには,有権者の3分の1以上の署名を集めて選挙管理委員会に請求し,住民投票で過半数の同意を得られれば議会を解散させられる。
  • その他の請求権
    • 特定の地域にのみ効力を発揮する地方自治特別法を国が制定する場合,その地域で住民投票をおこない,賛否を問う必要がある(憲法第95条で規定されている)。
    • その他,各地域で重要な問題について住民の意思表示が必要と考え,各地で条例にもとづく住民投票をおこなう(結果についての法的拘束力はない)地方公共団体が増えている。
    • 議員の紹介があれば,住民の誰でも請願書を地方議会に提出できる(請願の権利)。

(2)住民の参加

  • 住民運動

    地方公共団体の動きに限らず,身近な自治会(町内会)や,自発的に地域のために活動するボランティア,公共の利益のために活動するNPO〔非営利組織〕など,自らの住む地域をよくしようとする運動がさかんにおこなわれている。

  • オンブズマン〔オンブズパーソン〕制度

    地方公共団体から独立した市民の立場で行政を監視する人をオンブズマンとよび,住民は地方公共団体の職員などへの意見・苦情などを,オンブズマンを通して伝えられるようになった。また,地方公共団体の中にも情報公開制度を整備しているところが増えている。

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