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生産のしくみと企業②

1 生産の集中と中小企業

(1)生産の集中

企業同士が自由競争により争っていると,競争力の強い企業が弱い企業を淘汰したり合併したりして,次第に生産が一部の企業によって支配される(生産の集中,または企業の集中)。

  • 独占

    生産や市場を独り占めすること。一般的には少数の大企業が生産や市場を支配する寡占状態も含める。

  • カルテル

    市場が寡占または独占状態になると,企業同士の競争は価格から品質やデザインの差などに変わってくる。また,寡占をおこなう同じ業種の企業同士が協定を結び,生産量の調整や,利潤の大きい価格設定(独占価格),横並びでの価格設定(価格カルテル)などをおこなう。この協定を総称してカルテルとよぶ。

    独占の形態として,カルテルの他にトラスト(同じ業種の企業が合併して一つの大企業になる)や,コンツェルン(1つの資本のもとにさまざまな業種の企業が集まり,さまざまな市場に手を伸ばす)などもある。

  • 独占の問題点とその対策

    カルテルによる独占価格や価格カルテルは,企業の利益を優先させるために消費者に不利益をもたらすことが多いため,企業の競争を促すために独占禁止法が制定(1947年)され,公正取引委員会が市場経済の健全な発展と消費者の利益を守っている。

(2)中小企業の役割と課題

  • 中小企業の役割

    日本の全企業の約99%,日本の企業の全従業員数の約70%,日本企業の出荷額の約半分を占めるのが中小企業であり,日本の経済に大きな影響を与えている。

    • 製造業の中小企業は,多くが大企業の下請けとして部品などを生産している。
    • その中で独自の優れた技術をもった中小企業も多い。
  • 中小企業の問題点と対策
    • 不景気になると大企業から注文が減り,経営が不安定になりやすく,不景気に弱い。
    • 大企業に比べて賃金は低く,週休二日制の実施率や有給休暇の消化率も低いなど,労働条件が悪い。
    • 設備などが大企業に比べて劣り,生産性が低い。
    • 上記の問題点に対し,政府は1963年に中小企業基本法を出し,中小企業の振興と保護育成をめざしている。
    • 独自の技術とアイデアを活かし,情報通信機器やコンピュータソフトなどで新たに生まれた小規模ビジネスをベンチャービジネスとよび,日本経済の活性化にも期待を寄せられている。

2 金融と日本銀行

(1)金融

  • 金融とは?

    資金の余っている人や企業が,資金を求める人や企業と一時的に貸し借りをすることを金融といい,貸し手と借り手が直接おこなう場合もあるが,ほとんどの場合,銀行を中心とする金融機関を仲立ちとしておこなう。

    金融機関は,銀行(都市銀行・地方銀行など)のほか,信用金庫,農業(漁業)協同組合や保険会社などの民間金融機関のほか,日本政策投資銀行などの公的金融機関や中央銀行である日本銀行も含む。

  • 銀行の仕事
    • 預金業務

      貯蓄をした家計や企業が銀行に資金を預け,銀行は預金者に対して利子を支払う。

      家計の預金には,預け入れ・引き出しが自由におこなえる普通預金のほか,定期預金や当座預金などの種類がある。

    • 貸し出し業務

      預けられた預金をもとに,資金を必要とする家計や企業に融資という形でお金を貸し出し,毎月利子を受け取る。

      融資の利子の割合(利子率)は預金の利子率よりも高く,この差額が銀行の収入源となっている。

    • 為替業務

      送金や振込みなど,直接現金のやり取りをせずにおこなう取引き。

      その他に円と外国通貨の交換や両替などもおこなっており,その際に支払う手数料も銀行の収入源となっている。

(2)日本銀行の役割

  • 日本銀行

    日本銀行は日本の中央銀行(国の金融の中心となる銀行)であり,個人や企業とは取引きせず,政府や銀行とのみ取引きしている。

  • 日本銀行の役割

    • 発券銀行として,日本で唯一日本銀行券(紙幣)を発行している。
    • 政府の銀行として,税金や支払いなどの政府の資金の出し入れや,政府への貸し出しをおこなっている。
    • 銀行の銀行として,一般の銀行に資金を貸し出す。逆に銀行から資金を預かることもおこなう。
  • 日本銀行の金融政策

    日本銀行は,市場や銀行に出回る通貨の量を調整することで,景気や物価の安定を図る。

    • 公開市場操作    

      日本銀行と一般銀行との間で国債などを売買することで通貨の流通量を調整し,景気を安定させる。

      不景気の場合,日本銀行は一般銀行から国債などを買うことで,銀行の資金を増やして,企業などにお金を貸しやすくして通貨の流通量を増やす。

      好景気(インフレ)の場合,日本銀行は一般銀行に国債などを売ることで,銀行から資金を減らし,企業などへの融資をしにくくさせて通貨の流通量を減らす。

      同じように日本銀行は銀行への預金準備率(一般銀行が日本銀行に預けなければいけないお金の割合)操作でも景気を操作。不景気の場合,預金準備率を下げれば,日本銀行に預けるお金は減り,市場の通貨流通量を増やす。逆にインフレの場合,預金準備率を上げて日本銀行への預金額を増やし,通貨流通量を減らす。

  • 管理通貨制度

    日本銀行が経済の状況に応じて通貨の流通量を調整する制度。紙幣の価値は発行元である日本銀行の信用によって決まるため,流通量の調整は通貨(およびそれを使う国家)の信用にかかわる。

    戦前,日本や世界の先進国では,紙幣を金貨と交換できたため(金本位制),紙幣の価値=金貨の価値となっていた。しかしこれでは金貨の保有量しか紙幣を発行できないため,日本は1930年代に管理通貨制度に移行した。

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