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日本経済の課題

1 社会資本の整備

(1)社会資本の種類

  • 社会資本

    政府の役割として,多くの人々が利用する公共的な施設など(社会資本)を,国や地方公共団体の財政支出・財政投融資による公共事業として整備することがあげられる。

  • 社会資本の種類→インフラストラクチャー〔公共施設〕など

    道路・港湾・空港・工業団地など,産業活動に役立つ産業関連社会資本と,住宅・上下水道・公園や学校などの生活関連社会資本がある。

(2)これからの社会資本のあり方

戦後,高度経済成長の中で産業関連社会資本が優先的に整備され,生活関連社会資本の整備は遅れてきた。今後はボランティアや非営利組織(NPO)など,各地の地域支援組織と協力して生活関連社会資本を充実する必要がある。

2 公害の防止と環境の保全

(1)公害問題

  • 公害の発生と原因

    企業の生産活動などによって,大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・地盤沈下・騒音・振動・悪臭などが引き起こされ,人々の健康や生活に影響が出ることを公害といい,日本では高度経済成長期(1955年~73年)に多く発生した。これらの問題に対して,企業は利益を優先する立場から公害の解決に力を入れず,国も産業の発展を優先して公害対策を積極的にとらなかった。

  • 四大公害裁判

    公害の中でもとくに大きな公害を四大公害といい,被害者が企業を相手に裁判を起こし,すべて原告側が勝訴した。この判決文の中で,企業の責任だけでなく国が公害対策を怠ったことが指摘された。

    • 水俣病(熊本県水俣湾)

      チッソが排出した有機水銀〔メチル水銀〕による水質汚濁が原因。

    • イタイイタイ病(富山県神通川流域)

      三井金属鉱業が岐阜県神岡鉱山から排出したカドミウムによる水質汚濁が原因。

    • 四日市ぜんそく(三重県)

      石油化学コンビナートから排出された亜硫酸ガスによる大気汚染が原因。

    • 新潟水俣病〔第二水俣病〕(新潟県阿賀野川流域)

      昭和電工が排出した有機水銀による水質汚濁が原因。

(2)新しい公害と環境の保全

  • 公害防止対策

    政府は1967年に公害対策基本法を出し,公害についての事業所の責任などを定め,1971年には環境庁を設置した。また,公害による被害の補償,公害防止などの費用は公害を発生させた企業が負担する汚染者負担の原則(PPP)を採用した。

  • 新しい公害と環境の保全
    • 高度経済成長期の公害問題は多くが解決されてきたが,近年新たに排気ガス・ごみ処理場などから排出されるダイオキシンや,肺病を引き起こすとされたアスベスト〔石綿〕など,新たな公害が問題となった。また,地球温暖化や熱帯雨林の消失,酸性雨やオゾン層の破壊など,世界規模の環境問題も表面化してきた。
    • 政府は1993年,公害対策基本法を発展させ環境基本法を制定,環境問題に総合的に取り組む姿勢を明確にした。1997年には環境影響評価法〔環境アセスメント法〕を出し,大型の建造物を建設する際に環境への影響を事前に調査・評価することを義務付けた。また,2001年には省庁再編にともない,環境庁は環境省へ昇格した。

(3)循環型社会に向けて

  • 循環型社会

    今までの大量生産・大量消費・大量廃棄の流れを見直し,再生可能な資源を使った環境への負荷が少ない循環型社会をめざし,循環型社会形成推進基本法を2000年に制定した。身近なところでは,省エネ・省資源を進めてごみを減らし,過剰な包装や使い捨て容器を使わないことが求められる。さらにリサイクルを進めるため,家電リサイクル法・食品リサイクル法・容器包装リサイクル法などの法律が制定された。

  • 3Rの推進

    リデュース(Reduce,ごみの発生を抑える)・リユース(Reuse,再利用,再使用)・リサイクル(Recycle,再資源化,再生利用)の3つのRが循環型社会の基本となる。

    リフューズ(Refuse,ごみになるものを買わない,断る)を加え4Rとする場合もある。

3 今後の日本経済

(1)経済のグローバル化と日本

  • 国内産業構造の高度化

    1980年代以降,日本では第1次・第2次産業の割合が低下したが,サービスや情報,知識(ソフト)といった第3次産業は発展。経済のサービス化・ソフト化が進んだ。

  • 経済のグローバル化

    経済のグローバル化が進み,互いの結びつきが強まる一方,国際競争と国際分業が進んだ。2008年,アメリカ発の世界金融危機(リーマン・ショックともいう)は世界中に影響を与えた。

    • 国際競争の中で,国内生産は賃金の安い外国人労働者や派遣労働者に依存し,技術の後継者への継承が難しくなった。さらに企業によっては人件費と土地の安い海外に工場を移転したため,国内産業は衰退した(産業の空洞化 )。
    • 中国・インド・ブラジルなどの新興国が力を付け,日本の経済大国としての地位が相対的に低下した。

      GDPの大きさは,アメリカ・中国・日本・ドイツの順。

    • 外国から安い農作物が輸入されるようになり,食料自給率の低下と農業の衰退,後継者不足による高齢化を招いた。

(2)これからの日本経済

  • 技術の開発・普及

    日本の高度経済成長を支えた「ものづくり」の原点に返り,すぐれた技術で質のよい製品や,環境に配慮した省資源・省エネルギーの製品の開発・普及が大切となる。

  • 魅力ある農業の再生

    国民の食料を確保すると同時に国土や環境を保全する役割のある農業は国の根幹であるため,農家の国際競争力を高めるとともに食料自給率を高める必要がある。

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