「忍者」で世界にアピール! 滋賀県甲賀市【現在はどうなっているの?】

日本史の教科書によく出てくる地名。現在ではどんなスポットになっているのか気になりませんか。今の様子を知れば、さらに理解が深まるかも! 当時と現在の様子やおすすめポイントをご紹介します。

滋賀県南部に位置する甲賀市。三重県伊賀市と並んで「忍者の里」として有名です。最近では伊賀市とともに文化庁が認定する「日本遺産」に忍者をめぐるストーリーを申請したものの、残念ながら選外になってしまいました。

しかし、甲賀には忍者以外の魅力も多いもの。今回は滋賀県甲賀市についてご紹介します。

今回のスポット

住所:滋賀県甲賀市
人口:約9万2000人(2014年4月)

なんといっても甲賀は忍者の聖地!

忍者というと、手裏剣を投げたり分身したりするようなイメージでしょうか。甲賀の忍者は、とくに特殊な山岳武術を身につけていたことでも知られています。岩尾山や飯道山といった山々で修行していたといわれています。

江戸時代に立てられた甲賀流忍術屋敷は今なお残っており、実際に使われていた忍者屋敷の仕掛けを体験することができます。

ちなみに、甲賀市のゆるキャラは「にんじゃえもん」。地元特産の「黒影米」から生まれたというにんじゃえもんは甲賀流癒し忍術・ゆる忍術・エコ忍術・グルメ忍術といった特技があるそうです。

東海道の宿場も

東海道は政治や軍事面でも重要な交通路。徳川家康が整備した東海道五十三次では、甲賀市に「土山宿」と「水口宿」の宿場が設けられました。

土山宿は、鈴鹿峠を行き来する旅人の休憩場所としてもにぎわいました。現在も軒を連ねた格子戸の家並み、旅人に木陰を提供した松並木など当時の風情が色濃く残っています。

一方、水口宿は水口城の城下町でもあります。水口城は明治時代に廃城となったものの、現在は復元されて資料館になっています。

幻の都・紫香楽宮も甲賀にあった!

天平時代、聖武天皇が造営した「紫香楽宮」は天災が続いたため、わずか数年で遷都されました。そのため長らく幻の都といわれてきましたが、2000年に甲賀市で宮殿跡が発見されました。甲賀の焼き物として知られる信楽焼は、都を造営する際に瓦が焼かれたのが始まりだそうですよ。

忍者は外国からの人気も高いもの。甲賀市は東京五輪が開催される2020年までに世界的に知名度が高い「忍者」を通して、地域活性化にむけて本格的に取り組むことを掲げています。忍者をきっかけに、甲賀のさまざまな魅力にも注目が集まるといいですね。

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