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サポートWebにログイン(保護者の方はこちら)神話とは読んで字のごとく、“神”様が登場するお“話”です。
さて、みなさんのイメージする神様はどんな困難だってものともしない、むしろ人々に試練を与えたがる全知全能な存在ではないでしょうか?そんなイメージから想像して、神話で語られているのは説教じみた堅苦しい内容だらけなんじゃ…と思っていませんか?
ところがどっこい、実は神様ってメチャクチャ風変わりなことばかりしていらっしゃるんですよ!私たち人間には到底思いつかないような奇行に走ってしまうこともたくさん…!
数ある神話の中から、今回はギリシア神話を取り上げてみます。
神様は1人だけじゃなく、何人も出てくるんですね。神々の繰り広げる「そんなのアリ!?」とツッコミ必至な面白エピソードをご覧あれ♪
天界を支配する神様・ゼウス。もう、神の中の神!ゴッド・オブ・ゴッドです!そんなゼウスにも人間と同じように奥さんがいました。それはヘラという女神様です。
しかし、ここで早速「待った!」をかけなければなりません。
なんと、ヘラはゼウスのお姉さん!2人は姉弟婚をしているのです。こういう結婚は神話の世界ではそんなに珍しいことじゃないのですが、現代日本に生きる私たち人間からすればビックリしちゃいますよね。
さて、まずはゼウスの相当なプレイボーイっぷりをご紹介しましょう。奥さんがいるのにも関わらず、エウロペというフェニキア(現在のレバノン)の王女様に一目惚れしてしまったゼウス。奥さんの監視もあれば、自分が神様だという立場もありますので、そのまま近付くわけにはいきません。さすが神様、このあたりはちゃんとわきまえているようです。
そこでゼウスは白い牛に変身し、エウロペを油断させました。彼女を背中に乗せると一気に海を渡って別の島まで誘拐!正体を打ち明けたゼウスは、エウロペと3人の子どもを作りましたとさ♪
…って、エウロペさん的にはそれでよかったの!?
なお、この時にゼウスが変身した牛の姿が牡牛座の由来になっているんですよ。どうですか、牡牛座生まれのみなさん!誘拐から始まる恋はオッケーですか!?
ゼウスは、アルクメネという女性との間にも子どもを作っています(やんちゃすぎますね、はい)。その子どもこそ、後に英雄となるヘラクレス!
お父さんが神様、お母さんが人間ということで、ヘラクレスは半神半人です。「なんだ、中途半端じゃん」と思われるかもしれませんが、半人というのは強力なメリットなんですよ!神様の攻撃を受け付けないという特殊能力を持った敵にも、半人のヘラクレスなら立ち向かえるんですから!ゼウスはむやみに女性にちょっかいを出していたわけではなく、ちゃんと考えて子作りしていたんですね…と思いたいですね…あんまり説得力は感じられませんけど…。
ただ、ゼウスの正式な奥さんはあくまでもヘラ。そして、ヘラにとってヘラクレスは旦那の浮気相手の息子。やはり可愛いとは思えなかったらしく、まだ赤ん坊のヘラクレスが寝ている揺りかごに、こっそりと2匹のヘビを送り込みます。いやいや、いくらヘラが女神様だからって、そんな”非人道的”な真似が許されていいんですかい!?
でも、心配は無用でした。ヘラクレスはヘビをむんずと掴み、いとも簡単に撃退してしまったのです!もう一度書きますが、当時のヘラクレスはまだ赤ん坊ですからね。やっぱり神様の息子は素質が違ったと言うべき!?
何だかゼウスとヘラが本当に夫婦なのか不安になってきませんか?浮気しまくっている夫をヘラはどうして見逃しているのでしょう?それほどまでにヘラは一途なのか…と思いきや、愛想を尽かして家出し、ゼウスを困らせたことがあるんです。
とあるエーゲ海の島に引きこもってしまったヘラ。誰とも会わず、謝罪の手紙も受け取ってくれません。「どうにかして連れ戻したいんだけど、何かいいアイデアない?」とゼウスは知識人に相談します。妻がいなくなって初めて、その大切さに気付いたんですかね…というか、神様なのに自力では作戦を思いつけなかったんですね。
さぁ、ゼウスとヘラの仲直り大作戦を見ていきますよ!
ゼウスは女性の形をした木像を用意し、花嫁衣装を着せました。そして一緒に馬車に乗り、盛大なパレードを開催します。「どーも、神のゼウスです!この度、みなさんにお知らせがありまーす!残念ながら奥さんに出て行かれちゃったんで、新しい人と結婚することにしました!どーぞヨロシクゥ!」
この騒ぎを聞きつけたヘラは「ちょっと待ってちょっと待ってゼウスさん、再婚するってなんですの!?」とばかりに飛び出してきました。「アンタの正妻は私なのに誰と結婚するって言うのよ!」とゼウスのもとに現れ、隣にいた花嫁から衣装をはぎ取ります。するとそこにはただの木像が…。「やぁ、ヘラ。よく戻ってきてくれたね」とゼウスは微笑み、ドッキリ大成功!
ヘラのジェラシーを逆手に取った演出に、彼女は再び心を開いてしまうのでした。
…バカップルかいっ!
ゼウスとヘラの面白夫婦をもっとモニタリングしたいところですが、ここらで一旦ストップします。次はアキレウスという英雄に注目してみますね。アキレス腱の語源となった人物だと説明すれば、ピンとくる人もいるかもしれません。
冥界にはステュクスという川が流れており、その水に身体を浸せば丈夫になるといわれていました。息子を不死身にしたいと願ったアキレウスのお母さんは、赤ん坊だった彼のかかとを掴み、ステュクスの水にちゃぷんと浸します。赤ん坊ですもの、身体ごとドボンと投げ入れるわけにはいきませんからね。しっかり両手で支えてあげないと!
…あれ?かかとを掴んでいたということは、もしかして水の中には頭から真っ逆さまに落下させた?…想像すると怖いですけど、肝心なのはそこじゃありません。そう!川の水に、かかとだけは全く浸されなかったことが問題なんです!
ステュクスの水がバッチリと効いて、ガッチリと頑丈な肉体をゲットしたアキレウス。後に戦争で見事な活躍をするのですが、かかとに限っては不死身化されていなかったのです…。敵に弱点を見抜かれたアキレウスは、かかとを矢で射られたのがきっかけとなり失命してしまいました。
仇となったのはお母さんの優しさ?それとも、お母さんは単にドジだっただけ…?
最後は夢のあるお話をしましょう!キプロスの王様・ピグマリオンはよっぽどウブなのか、生身の女性と接することが大の苦手でした。しかし彼には彫刻という趣味があったため、自分の理想とする女性の像を大理石で作り上げたのです。
最初に完成した像はハダカだったので、とりあえず服の模様を追加で彫りました。やがてピグマリオンは「いやぁ、この像イキイキしてるなぁ!我ながら惚れ惚れするわぁ…」と、像を本格的に愛し始めます。アクセサリーを贈るのみならず食事まで与えるようになり…って、ハタから見れば結構ヤバいです(苦笑)。思い入れが強いなんてレベルじゃありません。
「ああ、こいつが人間だったらいいのに…」と、像への執着をますます深めるピグマリオン。そんな彼のことを、アフロディーテという女神様が見ていました。アフロディーテは「キモチ悪いわねぇ、この男」と呆れ…るのではなく、な、な、何と!彼の望みを叶えてしまったのです!
ピグマリオンは「やったぁ、サンキュー女神様!」と大喜びで、人間の命を吹き込まれた女性の像と結婚しました。アフロディーテの溢れんばかりのサービス精神、ぜひ私たちにも恵んでほしいものです…!
世界史全般に共通することですが、登場人物の名前がカタカナで覚えにくかったり、話のスケールが大きくて分かりづらかったりといった部分は否定できませんよね。でも、1人1人の背景やそれぞれのつながりを知れば一気に親しみが湧くはず!今回ご紹介したようなギャグっぽいエピソードから興味を持ったっていいんです!
とにかく愉快なギリシア神話。どの神様も女神様も英雄も自由奔放と言うか、オチャメ過ぎませんか?私たちもハメを外さない程度に見習ってみれば、何か学べるものがあるかも!?