希少野生動物が生息する“国境の島”長崎県対馬市【現在はどうなっているの?】

日本史の教科書によく出てくる地名。現在ではどんなスポットになっているのか気になりませんか。今の様子を知れば、さらに理解が深まるかも! 当時と現在の様子やおすすめポイントをご紹介します。

九州と韓国の間に位置する対馬(つしま)。そのロケーションから「国境の島」とも呼ばれる対馬は、古くは漢字や金属器、仏教などの大陸文化が持ち込まれました。

今回は長崎県対馬市についてご紹介します。

今回のスポット

住所:長崎県対馬市
人口:約3万2000人(2016年4月)

「魏志倭人伝」に倭国のクニとして登場

弥生時代末期に編纂された中国の歴史書「魏志倭人伝」には、対馬が倭国(日本)のクニであることが書かれています。

また、対馬最古の越高(こしたか)遺跡からは九州と朝鮮半島の遺物が同時に発見されました。文献だけでなく、遺跡からも古来より交易があったことがわかります。

対馬にしかいない動物も生息

対馬は平地が少なく、島土の約89%が山地。自然豊かな場所であるだけに、珍しい動物も数多く生息しています。

野生のネコ科哺乳類であるツシマヤマネコは対馬にしか生息していません。しかし、環境の変化や交通事故などで生息数が減少し、2010年代には70頭又は100頭と推定されています。※

1971年には国の天然記念物に、1994年には国内希少野生動植物種に指定。現在は保護および増殖のための事業が実施されています。

※2012年環境省より。生息数を推定するために用いた方法(計算式)が2通りあるため、推定された生息数も2つになっています。

実は、対馬では漁業や公共事業の不振、過疎・高齢化といった問題も。しかしながら、海と山に囲まれた豊かな自然が対馬の魅力のひとつ。シーカヤックやトレッキングといった自然を活かしたアクティビティは観光客から人気を集めています。長崎とは空路で、福岡とは空路・海路で、プサンとも海路で結ばれている対馬。今後は観光の観点からも、島の活性化を目指しているそうですよ。

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