数多の傑物が育ったふるさと 山口県萩市【現在はどうなっているの?】

日本史の教科書によく出てくる地名。現在ではどんなスポットになっているのか気になりませんか。今の様子を知れば、さらに理解が深まるかも! 当時と現在の様子やおすすめポイントをご紹介します。

山口県にある萩市といえば、幕末好きにはたまらない場所かも? 北側の日本海と三方の山に囲まれた立地にある萩は、明治維新という歴史的偉業を成した人物を複数輩出した地でもあります。

今回は山口県萩市についてご紹介します。

今回のスポット

住所:山口県萩市
人口:約5万人(2016年7月)

松下村塾なくして明治維新はなかった!?

幕末期に吉田松陰が主宰した私塾の「松下村塾」。松陰は身分や階級に関係なく、多くの人材を塾生として受け入れました。

塾生には、のちの初代内閣総理大臣・伊藤博文をはじめ、山縣有朋、品川弥二郎、高杉晋作など、明治維新で活躍した顔ぶればかり。明治維新は松下村塾なくしてありえなかった……といっても、大げさではないのかもしれませんね。

当時の塾舎は現在も残されており、維新志士たちが育った学び舎を鑑賞することができます。

世界遺産の見所も

製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業の重工業は西洋の文化を取り入れて、幕末からわずか半世紀の間に急速な産業化を遂げました。そこで、2015年に「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に登録されています。この遺産群は萩のほか、九州・山口を中心に8県11市に23の資産があります。

松下村塾のほか、「萩反射炉」や、唯一遺構が残ってる「恵比須ヶ鼻造船所跡」、「萩城下町」、砂鉄を原料に木炭を燃焼させて鉄を作っていた「大板山たたら製鉄遺跡」が含まれます。

近年、萩市を訪れる観光客数は減少傾向にありました。しかし世界遺産の登録や、萩を舞台としたNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の効果で、2015年1~9月には前年比の1.9倍増の数字を記録。今でも歴史ある町並みが残っているので、近くに訪れた際にはその空気を感じてみてくださいね。

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