「伊能忠敬いのうただたか」の
偉人いじんエピソードを
いっしょに読よんで
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蘭学らんがくと欧米諸国おうべいしょこくの日本進出にほんしんしゅつ

私わたしの名なは伊能忠敬いのうただたか。17歳さいの頃ころから伊能家いのうけの主あるじとして酒さけや醤油しょうゆの製造せいぞうを行おこなってきました。江戸幕府えどばくふは18世紀末せいきまつ、それまで使つかってきた暦こよみが実際じっさいとは異ことなるということで、新あたらしく西洋せいようの暦こよみを取とり入いれる作業さぎょうを進すすめようとしていました。その中心人物ちゅうしんじんぶつが江戸えどの天文学者てんもんがくしゃである高橋至時たかはしよしときでした。西洋せいようの学問がくもんに興味きょうみをもった私わたしは、50歳さいのときに家業かぎょうを長男ちょうなんに託たくし、高橋至時たかはしよしときのもとで天文学てんもんがくや暦学れきがくを学まなぶことにしたのです。この頃ころ、南下政策なんかせいさくを進すすめるロシアが北海道沖ほっかいどうおきに現あらわれるようになり、これが幕府内ばくふないで大おおきな関心事かんしんじとなっていました。なにせ、幕府ばくふは長ながく鎖国政策さこくせいさくをとり、国内こくないの安定あんていに努つとめてきたわけですから、外国がいこくの船ふねが日本近海にほんきんかいに現あらわれることは大事件だいじけんだったのです。

そこで幕府ばくふは国くにを守まもるために、北海道ほっかいどうの正確せいかくな地図ちずをつくることを決きめます。そして、測量そくりょうの中心ちゅうしんとなる人物じんぶつとして、私わたしに白羽しらはの矢やが立たったのです。こうして私わたしは以後いご17年ねんにわたり、全国ぜんこくを徒歩とほで測量そくりょうすることになります。

私わたしが全国測量ぜんこくそくりょうを成なし遂とげられたのには、2つの要因よういんがあります。1つは、蘭学らんがくが日本にほんで広ひろまってきたことです。当時とうじは西洋せいようの進すすんだ学問がくもんが長崎ながさきから日本にほんに伝つたわり、そのおかげで私わたしは天文学てんもんがくや暦学れきがくを学まなぶことができました。そしてもう1つは、ロシアやイギリス、オランダ、アメリカといった欧米おうべいの大国たいこくが日本にほんの開国かいこくを求もとめた動うごきです。これらの要因よういんが重かさなり、幕府ばくふが早急さっきゅうに全国ぜんこくの正確せいかくな地図ちずを必要ひつようとしたことを、知しっていただきたいです。